「んだよ、叫ぶなっつぅの」
「あ……あああアンタ」
口をパクパクさせるも、あたしは驚きと恐怖で言葉が出てこなかった。
教壇の下に居るせいか、酸素が薄い。
密着した身体、危険な香り。
なっ……なんでよりによってコイツなのよ……!
コイツだけはイヤ。
コイツだけは……!
――カタン。
その物音に、あたしは今の今まで忘れていたことを思い出した。
そう……あたしは、盗み聞きをしていたのだ。
バレる寸前で、目の前に居るコイツに助けられて。
そうだ……奥の部屋に居た男女は確か……
「誰?」
とっくに出てきてるんだった。
ひゃああああああ――!
うう……あたし、もぉダメ。


