「ほれ、くだらねーこと言ってないでもう帰れないぞ」


大悟がテーブルの端に置いてある伝票を掴んだ。


「何?おごってくれんの?」



滋が下から大悟の顔を覗き込む。



「ばーか、少しは払えよ。給料前なんだよ」



「んじゃ、昨日給料日だった私のおごりっうことで♪」


大悟の手から伝票を取り上げレジへ急ぐ。



「おい、良いのかよ?」

大悟は慌てて滋を捕まえた。



「いいの。いいの。あの時助けてくれたお礼と、タバコ我慢してくれたお礼だから」


滋は笑って会計を済ませた。