哀しきこと…


「大悟……今日は、その手に持ってるもの、しまおうよ」


「なんだよ!俺は、これがないとダメなんだよ!」


紘伽は、ぐっと顔をしかめた。


「あっ!ほら!紘伽のお姉ちゃんが、今、妊娠中だから……ね、大悟………」


場が、冷え切って来たのを見兼ねて滋が言った。


「ねーちゃんじゃ、関係ねーべ」


ぶつくさ言いながらも、ムードメーカーの滋に押され、大悟は手に持つ、白い小さい棒を箱の中にしまった。