「何?これってまさかのリンチ?」


「あぁ。そういう事じゃね?」


「おらーっ!」


そういって次々と男達が殴りかかってきた。



「そんな事してまで勝ちたいの?」


「あぁ、そうだよ!お前に負けてから屈辱の毎日だった。」


「だったら喧嘩なんかしなかったらいいのに。」


「うるせー!」


この男は昔私が空手をやってた時同じ道場にいたやつ。


その時も私に負けててそうとうショックだったらしい。


「おい、後ろもいるんだぜ?」


そういって頭をバット殴られた。


頭からは血が流れていた。


意識が朦朧としているなかで一人の男の子が走って私を覆いかぶさるようにして、守ってくれた。



その時私は意識を失った。


気づけば病院。


頭も痛いし、腕も痛い。


腕を見ると、焼きいれの跡がくっきりとついていた。


「葵、大丈夫か?」


「親父…。」


「全く、心配させやがって…。」


「なぁ!あの時私を守ってくれた男の子は!?」


「あぁ、その子なら大丈夫だ…。」


「ホント!?」


嘘だ!
絶対に怪我しているはずだ!


「その子何処!?」


親父に病室の番号を聞き駆け