「ふーん、そうなんだ」

あたしは簡単に流した。



それよりも!

トレーニングなの!!



あたしは先に走る二人を必死に追い掛ける。



二人とも…

オッサンのくせに…

早い。



「睦海!遅すぎる!!」

祥太郎は振り返って叫ぶ。



…なんだとー!!



あたしは全力疾走で祥太郎に追いついて背中に鉄拳を食らわせた。



「ゲホ…」



祥太郎は立ち止まって咳込む。



「大丈夫か?」

光さんが祥太郎を覗き込むと

「…光さん」

祥太郎は涙目になって光さんを見つめると

「もうちょっと…自分の彼女の教育をした方がいいよ。
未来の光さんの為に忠告しておくから」

「うるさい!」

黙って聞いていれば祥太郎め…

あたしはトドメに祥太郎の腰を叩いた。

「…はいはい、むっちゃん、もう止めや〜」

光さんがあたしの腕を握りしめる。



…恥ずかしい。



最近、どうも光さんに見つめられるとドキドキしてしまって、たまらない。





「…見つめ合うのはトレーニング終わってからにしてくれる?」

祥太郎はそう言うと咳ばらいをして先に走り出した。