「・・・・ちょっと、ゴメン」



無理矢理笑顔を作ったあたしは、
そう言って2人のもとを離れた。



ただぼんやりと宙を見つめながら歩く。



フラフラとあたしが辿り着いたのは、
体育館裏。


あの桜の木の下だった。




静かにその木に歩み寄って、幹に手を当てる。



“―― 知ってる?この桜の木の下で告白すると、必ず成功するらしいよ”



そう言った彼の笑顔が脳裏をよぎって、

ふいに涙があふれた。



幹に手を当てたまま、
その場にずるずると崩れ落ちる。