―――――・・ “五十嵐先輩の彼女”から “サッカー王子”に戻って1ヶ月。 あたしではない王子様は、 今日この学校を卒業するらしい。 「・・・・望夢ちゃん。本当にいいの?」 「望夢。話くらいしてきなよ」 心配そうに眉を寄せる2人に目をやってから、 小さくため息をつく。 「話すことなんか、何もないから」 そう言って、女子生徒の群れの中に居る彼に視線を送る。 行くわけない。 行けるわけない。