「まさか、マジで惚れたワケじゃねーよな?」



先輩のものではないその言葉に、
ドクンと大きく脈を打つ心臓。



「冗談よせよ。
さすがの慧も、あんな男みたいな女・・・なぁ?」


「だろーな!たかが“バツゲーム”だろ。
卒業前のイベントみたいなもんだしなっ」



先輩の声は聞こえてこない。

ケラケラと楽しそうに進められる会話。

聞いてはいけないそれを聞いてしまったあたしは、
強く唇をかみ締めた。