―――先輩と同じ3年生に聞いたところ、
彼は教室に居るらしい。


昨日、沙希と千夏ちゃんと3人で
作ったチョコを抱えて階段を駆け上がる。


部活が終わってすぐ渡そうと思ってたのに、
相変わらず女子に囲まれてなかなか抜け出せなかった。

笑顔でチョコなんか受け取り続けんのも、
結構疲れるもんだ。




「――――で、慧。
最近あの彼女と、どうなってんだよ?」



3-C

先輩の教室の前まで来て、
その中から聞こえた声にあたしは足を止めた。



「お前らには関係ねーよ」



そう聞こえてきたのは、確かに先輩の声。

だけど、いつもの穏やかな口調とはまったく違う。



「まさか、こんなに続くとはなぁー」