7月。 最後の大会を終えて、部活を引退してしまった彼。 今日は部活に行かないって言ってたから、先輩は先に帰ってるはず。 朝練に顔出すって言ってたから、今日は朝から会ってない。 「―――あっ。望夢ちゃん」 千夏ちゃんに腕をつつかれて顔を上げる。 「えっ・・・!?」 その視線の先にいたのは、五十嵐先輩だ。 「あたし、1人で帰るね!」 気を遣ってパタパタと走っていく千夏ちゃんの背中を呆然と見送っているあたしに、先輩が声をかける。 「――彼女と一緒に帰ろうと思って」