「朝から2人で登校ですかっ!ラブラブだねぇ」
教室に入っても途切れることのない視線。
それを気にしながら席に着いたあたしに、沙希が声をかけてくる。
「ちげーよ・・・」
ドンッとカバンを机に置いてため息をつくあたしに、
沙希は「だからぁ!」と大きな声を出す。
「朝からデカい声出すなって・・」
ただでさえテンションの低いあたしは
すぐそばで発せられた大声に、露骨に顔をしかめて見せた。
「何回も言ってるでしょ!もうちょっと女の子らしくしゃべりなさいって!」
突然始まった沙希のお説教に、あたしはまた顔をしかめる。
そんなあたしにはお構いなしで、彼女は声を張り上げる。