「王子と王子、やっぱり付き合ってるんだぁ」


「美男美女?ってか、美男美男って感じだよねー」





―――視線が痛い。


隣を歩く彼は、そんなこと全く気にしていないようだけど。



「じゃぁ、また放課後ね。望夢」


「あ、あぁ・・・また」



あたしを教室に送り届けて、笑顔で自分の教室へと向かっていく彼に小さく手を振る。


あの思いがけない出来事から3日もしないうちに、あたしの校内での肩書きは

“サッカー王子”から

“五十嵐先輩の彼女”へと変わった。