「ちょっと話があるんだけど・・・ この子、借りてもいいかな?」 棒立ちしたままのあたしをよそに、彼は隣にいた沙希と千夏ちゃんに声をかける。 「もちろんですっ」 「ど、どうぞ!」 顔を真っ赤にして首を立てに振る彼女たちに 「ありがとう」と爽やかに微笑んだ彼に腕を引かれて、あたしはその場を後にした。 この状況が、全く理解できない。