「ちょ、こっち見た!」 「こっち来るよ!」 2人の声で我に返って、慌てて顔をそらした。 「―――桐生さん?」 低く、優しい、凛とした声。 名前を呼ばれて 心臓が大きく飛び跳ねた。 サラサラの黒髪。 白くて肌理細かい肌。 切れ長の目。 高い鼻。 あまりにもきれいなその顔に 思わず見とれてしまって返事も出来ない。