「・・・・別に」
何を面白がっているのか知らないが、彼女の態度に若干腹を立てたあたしは顔をそむける。
「まったまたぁ!どーせ、また
“もっと女の子らしくなりたい”的なこと考えてんでしょ?」
うわ、ムカつく。
・・・・・・・・当たってるし。
「部活じゃ毎日黄色い声援。女の子からのプレゼント攻撃。我が成京高校のアイドル、サッカー王子」
「何がご不満?」と付け加えた彼女は
大袈裟に肩をすくめた。
「・・・・あのなぁ」
分けがわからない、と言った表情を浮かべる沙希に
あたしはまた、大きなため息をついてみせる。

