「…おかしいと思ったのよ。いつもならすぐ働かせる龍ちゃんなのに、あなたがまだ働いてないって言ってたから」 「……確かめて来ます」 私は階段を駆け上がり男の部屋へと向かった。 あの人の言う事を真に受ける訳じゃないけど…。 もし、それが本当なら…どうしてなのか理由が聞きたいし。 それに…私は遊女を辞めるつもりなんて更々ないもん。 私には、この仕事しかないんだから。 この屋敷を出てってでも、続けるんだから。