「結衣が悪い訳じゃない……アイツに…根性がなかっただけだ」


私を抱きしめる力が強まり
私の後頭部に手を宛てると、ぐっと胸へと押し付ける。


「……っ…」


「…アイツが結衣の前から姿を消した時な…。バイクで事故って入院してその時に死んだと伝えて欲しいと…女将に頼んだらしい…」


女将さんとも…知り合いだったんだ。


「龍也さんは……どうして…その事を知ってるの?」


「アイツの連れだからだ」


そうだったんだ…。