私の目線は茉都花によって投げられたブーケにあった。
ブーケが誰の手に渡るのか…
私はそんなことしか興味がなかった
弧を描いて、落ちていくブーケ
参列している女性たちが私の付近に手を出す
その手から逃れるために少し前へ移動した
突然、時間の流れがゆっくりになった
【トスッ】
動かしもしなかった、手の中に何故かブーケがある。
私は何度も手に持っているものを確認する
そんな様子を見た美優は私に言う
「柚月、ずるい。みゅうが欲しかった。」
横にいてブーケを奪おうと必死だった美優も笑顔で言う
そう言われたけれど、びっくりしすぎて、声も出んかった。
ただ、茉都花の方をまじまじと見るだけ
そんな私を見て、茉都花が笑顔で晴れやかに言う。
「次は柚月の番だからね?」