「ねぇ、今の人、格好いいよ!やっぱ、レベル高いよ!」


そうやって暢気に話しかけてくるのが美優



「柚月。茉都花の旦那さんの友達、みんなカッコ良いよね?」


本人はひそひそ話してるように思ってるが、ボリュームは大きい



「茉都花の旦那さんも格好いいもんなぁ。類友ってやつ?」


めんどくさいから、軽く返事する


「ねぇ、柚月。みゅうの話聞いてる?」


「聞いてるよ。宮中さん格好良かったもんね」


上の空を装おって言う


知ってか知らぬか美優は続ける


「そうそう。宮中さんみたい人、今時いないのよね。カッコ良いだけじゃなくて、一途な人なんて…。みゅう、そんな人と結婚したいわ」


うっとりした声が受付前で一層、響き渡る


同期入社で茉都花の友達だった美優と仲良くなるのは必然やったけど、ちょっと性格がなぁ…


「…月、柚月!聞いてる?柚月はどんな人と結婚したいの?」


うーん。


結婚式来るとこればっかやしなぁ…


「結婚せんでも生きてけるんやったら、せんでもいいかぁってとこかな。面倒やしね…」


それを聞いた美優はビックリしたような顔で言う


「じゃあ、柚月、恋愛もしないの?寂しくない?」


ここは私の持論を発揮する


「結婚と恋愛ってきっとちゃうやん。結婚が恋愛の延長線上にあっ たら、皆結婚してるって!」