ふと、鏡越しに美景さんの姿を見つめる


優雅に髪巻いて、編んでいくなぁって感心していた


そのとき、何か違和感を感じた


美景さんの左薬指には見慣れない指輪があった


「もしかして…美景さん、近々結婚する?」


その言葉を聞いてかわからんけど、美景さんの手が止まり、慌てて指輪を外す


「ごめん!外すん忘れてた!怪我してない?近々ではないけど結婚するよ。もう30になるから。店も軌道に乗ってきたし、彼の仕事も落ち着きそうやし」


そう話す美景さんの顔はとても幸せそうで…


私の心はより寒々しくなっていった