「ごめんなさいじゃない。言うのならありがとう。因みにこの靴…」


「あぁ、元々ヒールの先、潰れてたから気にせんとって」


名嘉間さんが持っているパンプスを取り返し、履いて歩き出そうとすると…


「靴屋に行こう」


そう言い、私の手首をもって歩いていこうとする


「手、離して。痛いし、男の人に触られるんが怖い。でも、逃げへんから」


名嘉間さんは私の目をじっと見て


「ごめん。事情はわからないけど、とりあえず、来てくれてありがとう」


こんな風に前向きに言われたらなにも言われへん


顔が少し火照っている気がしたから思わず俯いてしまった