聞いたことのある声が聞こえた 次の瞬間、体が何かに覆われた 男に捕まれた手を掴まれ、誰かに抱き寄せられた その人の体温が伝わり、気持ちが落ち着いた 自然と声が出た 収められた腕の中から顔を伺う 「名嘉間さん?」 結婚式の時のスーツ姿とは雰囲気が違った、オシャレな名嘉間さんがいた 「柚月、大丈夫か?」 必死に呼びかけられ、私は頷く 「この女(コ)、柚月っていうんだ。可愛いじゃん。1日貸してくれよ」 男がニヤリと、いやらしい笑いを含ませ、私に近付こうとする 「駄目だな。諦めな」