「だって、皆、柚月を見てるんだよ?」


「はぁ?」


思わず間抜けな声が出た


なんで私なん?


「きっと柚月は『絶対、皆、美優を見てる、美優モテるし』って思ってたでしょ?ずっとそんな顔してた。分かるんだ。私から言わせると柚月の方が魅力的」


美優が、急に言い出す


って言うか、美優ってまともやったりする?


私は不思議になり反論する


「でも、なんで私なん?美優のほうが可愛いのに…」


「それは、私がお答えしましょう。佐倉柚月さん」


声のするほうを見ると、男性が立っていた


眼鏡をかけ、長身な彼はイケメンの部類に入るだろう


でも、なんで私の名前知ってるん?


「大樹!いきなり出てくるとビックリするじゃない!柚月をおどろかせないで!」


美優、いつもの話し方じゃない!


すかさず、その男は美優に言葉を返す


「みゅうは良いじゃないか!いつも佐倉さんの隣にいれるだろ?俺なんて…」


出たぁ…


男の僻み!


でも、私の側におれて良いって?


どういうことなん!


私、この男知らへんねんけど…


それを察したのか、自己紹介も兼ねてか話してくる男