「私たちの目的は!!」

「……美並哲哉を見つけること」

(注)私たちは軍隊ではありません。
これは廉が邪なことを考えるもんで、確認です。

「声が小さい!!もう一度!!」

「美並哲哉を見つけること!!!」

「よろしい」

納得のいかない顔して彼はちぇっと小さく舌打ちした。

「あの~」

「何よ!!うるさいわね!こっちは今忙しいのよ!」

「僕に何か用ですか?」

へっ?

振り向くと青年が立っていた。
私の気迫に押されたのかちょっと畏縮しているようにも見える。

「……美並哲哉さん?」

「はい……そうですけど」

こんなにもあっさり出会えるなんてラッキーっ!!
棚からぼた餅とはこのことを言うのよね。
私と廉は『さくら湯』の入り口で目的の確認していたところだった。

「あんたねぇ!!」
そうと決まれば話は早いわ!!

「まぁまぁ。(相手を煽ってどうする、ここは慎重にってな)」

「廉……」
私は止めを喰らった。

「お茶でもどうですか?」
廉は思いっきり笑顔で言い放った。
これも相手に不信感を抱かせないための演技というべきとこだろう。

「あなたたちは一体……?」

「『パープルA』ただの花屋です」
彼の言葉にターゲットの顔が少しだけ強ばった。パープルAの存在を知っているのか。

いないのか……。