そんな日々が、約一ヶ月に渡って続いた。

既に兵糧も水も底を尽き、私達は限界に達する。

「そろそろ…決断の時じゃな」

頭領が残る隠密全員を集めて言った。

「このまま篭城した所で全滅は見えている。ここは伊賀忍軍の残る力を結集し、信長めに一泡吹かせる…」

そう言った頭領からは、悲壮なまでの覚悟が感じられた。

如何に頭領とて、この戦局は最早ひっくり返せはすまい。

どんなに足掻こうと、討ち死には確実。

ならば伊賀忍軍の誇りを信長に見せ付けるまで。

「天下に聞こえし伊賀忍軍…最期に死に華咲かせようぞ」

「心得ました」

「はいっ」

私と甲斐様が、そして残る全ての忍が力強く頷く。

しかし。