大学
竜宮城だった。約一ヶ月毎日がただ飲みの新入生歓迎祭、門限なし管理人なしの寮生活は毎日やりたい放題。寮にはフィリピン人、韓国人、中国人、ベトナム人、フィンランド人・・・そして芸術専門学群、日本語日本文化学類、医学類、体育専門学群、比較文化、自然・・・異国に異学部、そして異郷。もうすべての人に興味深深。手当たり次第に声かけていたら、友達っていうのはあっという間に増えた。福岡と茨城。ホームシックにならずにすんだのも友達のおかげだったんだと思う。顔が広いっていうのでいつの間にか全学類で飲み会開いて幹事として乾杯の音頭とっていたり、どこどこの学類と飲みたいから合コン開いてといわれてつないだり女宴会隊長といわれるようになっていた。
遊ぶだけ遊んだ。遊ぶために3日寝ないとか余裕だった。
ただ、時間がなぜか止まって見えるようになってきた。自由は私に焦燥感をくれた。目的もなく、遊ぶだけあそんでいる日々では、空虚感をあじわった。浦島太郎がなぜ帰ったのか、わかった気がした。

●暗中模索
そうして看護を休んで他の学部の授業を受けてみたり、追試前日深夜みんなで海に行って追追試うけてみたり。ルームシェアをはじめたり、タイで遭難してみたり、学園祭で看護の友達集めて屋外マッサージと餃子の出店開いて二日で16万もかせいでみたり・・・・・・。
そんな暗中模索の中、はまったものがあった。ネットで応募した住み込みバイトである。交通費タダでいろんな県にいけるし、毎日ご飯出て温泉にも入れる!房総半島、静岡、長野etc・・・いろんなところに行った。
その中に特別印象深かった住み込みバイトの思い出がある。大学2年の夏に三週間行った、長野の旅館である。
夏はほぼ毎日満館、大忙しだった。朝6:00から23:00くらいまで働いたら、そっから朝までいきつけの店でお疲れ飲みをしたり、流星群展望ドライブ&ミーティングをするといった毎日。
しかもここはかなり変わっていた。何がってフロント、客室清掃、料飲接客、そして特に変わったオプション、夕飯のあと店員とお客様一体化の『夜祭り』のスタッフ、あとは子供たちに星を見せに行く星ツアースタッフ・・・の、仕事全般をほぼ一人でやるんだから。