絆を学校に登校させないことには、出席日数も学力向上も全ては始まらない。



「というワケで、やっぱり仲良くなる為には食べ物とかが良いと思うんだよ」


「なるほどっ。確かに美味しいモノ食べてるときって幸せだもんねー」


「だったらシェフ呼ぶか。狭いキッチンだが大丈夫だろ」



「…………何してるの?」



どぎつい朝の目覚めから数時間。


雅も澪路も居ないはずのリビングから聞こえる話声に恐る恐る中を覗けば、



忘れたくても忘れられない顔が三つ、当たり前のようにソファーに座ってくつろいでいる……。



あまりに突拍子の無い光景に、開いた口が塞がらない。



「あっ、ここちゃん。さっきぶりー」


出会って間もない派手な女子には笑顔でここちゃん呼ばわりされ、



「お邪魔してます。絆嬢」


一見常識人っぽく挨拶してみせた男子の笑顔は胡散臭く、


「俺だ。悪いけど、シェフに狭いキッチンでも料理出来るか聞いてくれ」


携帯でどこぞに電話する体も態度もデカいは傲慢男やっぱりムカつく。