ぼくらの事情


まあ広い校舎とは言え、五分も経たないうちに生徒会室に到着。



ドアに手を伸ばし、観音開きの扉をそっと開けた先には、


「…………」


予想通りの仏頂面をした響生が、目が合うなり驚いた表情を浮かべ、


「…………」


すぐさま、ぷいっと大人気なく視線を正面に戻してしまった。



昨日のことをまだ根に持っている……。



二人が言った通り聞かずともわかるあからさまな態度に、思わず絆の口からは大きな溜め息が零れた。



咲奈たちが来るまでこうしてるワケにもいかず、とりあえず響生の隣に座ったものの、


「…………」


……なんて声を掛けて良いのやら。



教室の前を出発した時から考えていたことは、結局顔を見ても答えが出ないまま。



口を噤んだままそっぽを向いた響生は、ハッキリ言って気まずいとしか言いようがない。


「……みんな遅いね」


とりあえず沈黙を破ろうと、何気なく発した一言は、


「……そんな嫌かよ。俺と二人は」


「えっ?」


不機嫌男の傷口を抉ってしまったらしく、やっとこちらを向いた顔は鋭く自分を睨み付けていた。