「響生どうする? 仕方無いから慰めてあげる?」


「んー……。慰めたりしたらもっと卑屈で惨めになるかもよ」


つーか、正直言って面倒くさい。


自分の答えに小さく唸る咲奈を一瞥し、架は欠伸を噛み殺した。


そもそも第三者の自分たちがとやかく言ったところで、響生が納得するとは思えない。




こういうことは、



「ていうワケだから、絆嬢よろしくー」


「……何を?」


根本的な原因である人間に処理してもらうに限る。


ということで、教室に居た絆の元を訪れた二人。



顔を合わせるなり、単刀直入に胡散臭い爽やか笑顔で発せられた架の言葉に、絆は訝しそうに首を傾げた。


「響生がね、昨日のこと引きずって不機嫌でウザイんだよ。だから、よろしくー」


「昨日、ここちゃんに突っかかって玲於に言い負かされたでしょ? 響生それで落ち込んでるの」



咲奈による通訳で漸く架によろしくされた意味を理解したらしく、絆は二人に納得したように頷いてみせた。