恒例の勉強会という名のお茶会は、今日も絆の手作りお菓子と、咲奈の淹れた紅茶を囲んで和やかに行われている。


……一部を除いて。


「ねぇ、玲於とここちゃんってどんな関係なの?」


絆が用意したお菓子もそこそこに、目をランランとミーハーに光らせた咲奈に、



「小学校のクラスメートだよ。絆、おかわり食べても良いかな?」



爽やか笑顔でサラッと答えた玲於は、そのままの笑顔で二つ目のお菓子を要求してる。


因みに、今日のおやつは生クリームとカスタードクリームのシュークリームだ。


「小学校っていうと……全寮制の?」


「六年生のときにクラスメートになったんだよ。ねっ、絆?」


小さく笑った絆が相槌を打てば、玲於も爽やかに笑みを返す。


十人中十一人がお似合いと言うであろう構図だ。



シュークリームの生地に穴を開け、ズボズボとクリームを吸い出す架がぺちゃんこになった生地越しにその光景を窺っている。


架の隣には珍しく、まだ半分しか食べられていないシュークリーム片手に絆の顔をじっと見つめる響生。



しかも、いつもの定位置をすっかり玲於に取られ、物凄い不機嫌面で……。