お兄ちゃんは暫く黙り込んだ後、私にこう言った。
「唯、何を言ってるのか解ってるのか?」
「……解ってるよ」
「俺は唯のお兄ちゃんだ。それ以上でもそれ以下でもない」
「うん……」
「しかも人間じゃない。そんな俺じゃ、どうあっても唯を幸せにはしてやれない……。それでもか?」
お兄ちゃんは苦しそうな表情をしていた。
でも今日で最後だから……
「今日だけでいいの。今日だけ唯の恋人になって……?明日からは普通の妹に戻る。だから……」
「唯……」
「お願い!そしたら私、もうわがまま言ったりしないから……!!」
「本当にそれでいいのか?後悔しないのか……?」
「しないよ。絶対……」
後悔したくないから、初めてはお兄ちゃんがいい。
それが私の出した答えだから。
真剣な目でお兄ちゃんを見つめると、同じように見つめ返された。
そしてお兄ちゃんの表情がフッと緩む。
「わかった。今日だけだぞ?」
「あ、ありがとうお兄ちゃん!!」
「でも今日だけだ。それを忘れるなよ」
「……うん」
わかってる。
あなたは私のお兄ちゃん。どんなに足掻いてみても、それは変わらない現実。
だけど……
今日だけは私の最愛の人――
