お兄ちゃんは悪魔サマ

 


翌日、私は泣き腫らした酷い顔をしていた。

洗面所で顔を洗ってみるものの、ぷっくりした瞼はいかにも泣きましたって感じだ。




「今日は学校サボろっかな……」



ベッドに横たわって氷の入った袋を、冷やしたタオルで包んで両目を覆う。

ひんやりとした感触が、熱った顔には心地良かった。










ガタガタ


突然窓が動く音がして、重い体を起こす。
目を向けるとそこには真っ白な猫、イグルスさんが居た。

私は窓に近寄り鍵を開ける。
ガラス窓を横にスライドさせると、白猫はペコッとお辞儀をして中に入ってきた。




「朝早くからすみません」

「あ、いえ……。どうかしたんですか?」



イグルスさんは少し間をおいて口を開いた。猫のままでだけど。




「今、陵はうちで暮らしています。ですが、またココに帰そうと考えています」

「お兄ちゃんを……?」

「今の唯さんには酷な事かもしれませんが……」



私の顔を見ながら言うイグルスさんは、きっと何もかもお見通しなんだろう。




「でも、何故急に……?」

「最近、ハンターの活動が活発になっています。今の陵は……荒れています。注意力散漫ですし、もしクラスの高いハンターに会ってしまったらおそらく……」

「捕まる……?」

「……はい」






私はこの機会に、悪魔とハンターについて詳しく聞いてみる事にした。