『お兄ちゃん、唯にキスしてもいいよ』
あの後お兄ちゃんに言った言葉。
イグルスさんに頼まれたからってのもあるけど、また今日みたいな事が起きたら怖いから……
悪魔の仕事やハンターについては、詳しくは教えて貰えなかった。
知れば知るほど唯が危険になるから……だって。
それでも知りたかったのにな……
時間は夜の12時過ぎ。寝れなくて、布団の上でボーッといろんな事を考えてた。
すると不意にドアがノックされた。
こんな時間だからお兄ちゃん……しかいないよね。
何だろう……?
「唯、起きてるか?」
「うん。入っていいよ」
ガチャリとノブを回してお兄ちゃんが入って来た。
「ちょっといいか……?」
「だから大丈夫だってば!急にどうしたの?」
お兄ちゃんはベッド近くにある椅子に座って、こっちを見た。
その目は、少し怖いくらいに真剣な眼差しをしていた。
「唯、毎日のキスの事だけどな。……やっぱりやめよう」
「え……?」
「唯の気持ちは嬉しいけど……」
「キスしたくないから?唯じゃダメだから?」
「…………」
何故だか、もの凄く悲しくなった……。私じゃお兄ちゃんの役にたてないの?何がイヤ?何がダメ?
最初はお兄ちゃんから迫って来てたのに……
お兄ちゃんが解らないよ……
「……お兄ちゃんのバカッ!お兄ちゃんなんて大っ嫌い!!」
私はこの場に居たくなくて、パジャマのまま家を飛び出した。
