「唯さん、1つだけお願いがあるんです」
「何ですか……?」
「毎日じゃなくてもいい。軽くでもいいから、陵に口からのエネルギー補給をして貰えませんか?」
口からって、キスの事だよね……
「どうして……ですか?」
イグルスさんは、1度瞬きをしてから話し出した。
「私達が必要とするエネルギーの原動力が、精気である事は理解してますよね?」
私は黙ったまま頷く。
「例えばそのエネルギーゲージがあったとします。満タン時を100%とすると、普通に悪魔として行動するのに1日で10〜20%のエネルギーが最低でも必要になります。陵が唯さんとの行為で補充されるエネルギーは、せいぜい20〜30%……」
「ギリギリ……?」
「そうです。不足の事態に陥った場合、今日のようにいつ消えそうになるか解りません。エネルギーが0になれば、契約終了を意味します」
契約終了……
お兄ちゃんが居なくなる……
「私がキスすると、どのくらいそのエネルギーが補充されるんですか?」
「軽いキスだけで大体20%前後です。それに今までの20%を加えれば40%は越えます。それでも少ないですが、今よりはずっと良いはずです」
私は少し考えてしまった。
お兄ちゃんの為に、協力はしてあげたい。
でも、お兄ちゃんがお兄ちゃんでなくなりそうで怖かった……
