「悠哉、今は何時だ?」
俺の問いかけに、携帯で確認をする悠哉。
既に日が沈みかけていて、電気のない部屋は薄暗い。
現在いる場所。それはあの屋敷の正面玄関を入ってすぐのフロアの、右奥にあった部屋。おそらく、元々は客室だったんだろう。
部屋の造りは至ってシンプル。中にあるのはベッドと小さな机と椅子のみ。
この屋敷に人が住んでいるか否かは、足を踏み入れるとすぐに解った。
何せそこら中が埃まみれで、クモの巣があちこちに作られていたからな。
これで人が住んでいるとは、到底思えない。一応玄関で声をかけてみたりもしたが、当然無反応だ。
そんな訳で、勝手にずかずかとあがらせて貰った。
「18時42分です」
「残り24時間をきったか……」
「なぁ、とりあえず飯にしよーぜ?腹減った」
俺はまたも殴りたくなった衝動を、何とか抑える。
まぁ腹が減っては戦は出来ぬ、とも言うしな。
「お前ら何か食べて来いよ。俺はなるべく動きたくねぇから、ここで休んでる」
残り23時間……
考えていた以上に、さっき空を飛んだ時のエネルギーの消耗が激しかった様で、力が入らない。
頼むから、唯を助けるまでは持ってくれ……!!
