お兄ちゃんは悪魔サマ

 


「……なんだここ」



ようやく荒地を抜け出したかと思った途端、目の前にはおどろおどろしいでっかい扉が突如出現した。










「あ……何かもうすぐありますよぉ。ふぁぁ〜……」



寝ていた紗香がボケーッとした表情のまま、こんな事を言い出したのはホンの数分前。


いきなり周りに靄(モヤ)がかかり始め、数秒で視界が真っ白になった。

突然の出来事に思わず進むのを止めて立ち止まる俺に、紗香はなおも進めと言ってくる。




「本当に大丈夫なのか……?」

「う〜ん、多分?」

「多分かよ……」



コイツに聞いた俺がバカだった。

でも、こんな所で貴重な時間を潰すわけにもいかないと、速度を落として先に進んで辿り着いたのが、このでっかい扉。



高さ?幅?もはやよく解らん。

何となくだけど、都庁の建物の高さがこん位?って感じ。


まぁとにかくどう考えても、力で開けられそうにないのは間違いない。



その前に、この扉から漂う邪悪とも言えるべきオーラのせいで、近づきたくもないんだが……




どうしろってんだ……?