それにしても、この広い魔界で本当にアイツ等を見つける事が出来るのか……?
眼下に広がる、どこまでも続くかの様な同じ景色。
一応イグルスとの交信を試みてみたものの、無意味に終わった。
まぁこれは範囲が決まってるから、ハナから期待はしていなかったが……
「どこに行くんですか?」
「さぁな。俺が聞きたい」
「……何となく、こっちな気がします」
何故か解らないけど、紗香の意見を素直に受け入れた。
コイツには何かある……
どこかでそんな風に思ってたからかもしれない。
感じる魔力はあるかないか解らない位に弱々しくて、空を飛ぶ事すら出来ない。
なのに魔界との行き来が出来る。
しかも、やはり飛んでる魔物にも襲われる気配がない。
「お前、何者……?」
「え?紗香ですけど」
「……まぁ、そうだな」
その後、何度も調子を狂わされながらもひたすら進み続けた。
魔界では、人間界で必要だったエネルギーは不要になる。
魔界に充満する気のせいなのか、他に何か理由があるのかは解らねぇけど。
気がつけば腕の中の紗香は寝息をたてている。
ある意味、大物だ……
にしても、どの位の時間が経ったのかが解らなくなるな……
無駄に広すぎだろ……
