お兄ちゃんは悪魔サマ

 


「私の事……?」



お兄ちゃんは少し苦笑いした。




「その通りだよ。最初は家族について聞いた。そしたら1人しか駄目だと言われて、改めて唯の事を聞いた」

「何て言われたの……?」

「彼女は幸せにはなれない。そう遠くないうちに命を落としてしまうと……」




ああ……やっぱりね……

位にしか思わなかった。

八城先生に話しを聞いてた時から予想は出来てたから。




「それはいつなの……?」

「言えない……」

「どうして?」

「どうしてもだ。これだけは絶対に駄目だ。絶対に……!」




必死の形相をするお兄ちゃんに、これ以上この事を追求するのは止めた。


と言うか、正直怖かった……

極端な話、もし明日死ぬ予定ですなんて言われたら、きっと正気じゃいられない……





「あれ……?イグルスさんとはいつ出会ったの?」

「唯の事を聞いた後、俺はルカに連れて行かれそうになるのを拒んだ。そこにイグルスが現れたんだ」

「もし、イグルスさんが現れなかったらお兄ちゃんはそのまま……?」




お兄ちゃんは首を振る。

どうしても嫌だと拒んだ場合、いわゆる幽霊みたいな形でこの世に残るんだって……


私は霊感がある訳じゃないし、幽霊なんて信じてなかった。

でも、お兄ちゃんみたいな想いを抱えた幽霊もいるんだ……