お兄ちゃんは悪魔サマ

 


「んー!!んんーっ!!」



一向に離れようとしない先生。押してはみるけど、動きそうな気配はない。


それどころか、無理やり口の隙間から舌を侵入させて来ようとする。

私は何とか拒み続けていた。



でも先生はふと、私の首筋をさわっと撫でた。突然の事に思わず声が出そうになる。

その時を狙っていたであろう先生は、いとも簡単に私の舌を捕えた……




「やぁっ……んっ」



お兄ちゃんとは違う先生のキス。凄く手慣れてる感じがした……

何十、何百……もっと?の人を相手にして来たのなら、当たり前かもしれないけど……




「んっ……はぁ…」



暫くしてようやく解放された私は、力が入らなくなっていた。




「ちょっとやり過ぎたか。でも気持ち良かっただろ?」

「……んなワケないでしょ!」

「ま、いいけど。んじゃ教えてやるよ」



私は少し先生から離れるように後退り、改めて先生を見た。




「まずおおまかに悪魔ってのは2種類いる」

「2種類……?」

「1つ目は俺やイグルスみたいに目的を果たせないまま、長い年月を生きる悪魔。2つ目はお前の兄、陵だっけ?みたいに目的の為に生きる悪魔」

「目的……?」







この時、先生の話しを聞く事によって、答えの出せない迷宮に迷い込む事になるなんて、今の私には知る由もなかった……