お兄ちゃんは悪魔サマ

 


「誰か助けに……ね。来てくれなかったら?」

「え……?」

「そ、これが1つ目の能力。人の考えてる事が大体だが解る」



ちょっと待って……

と言うことは、いくら逃げる方法を考えても……




「無駄だな」



これは、もしかしなくても相当ヤバい……?




「ピンポーン!その通り。大人しくしとけば酷い事はしないから」

「って、さっきから私の心の中と会話しないで下さい!!」

「仕方ねーじゃん。聞こえんだからさ。それよりもっとイイ事、教えてやろうか?」

「もっとイイ事……?」



先生は吸い終わった煙草を手で握って消した。
開いた手にあるべき筈の吸殻は、無くなっていた……

私はその様子をただ呆然と眺めて居た。




「悪魔のヒミツ知りたいか?」

「ヒミツ……?」

「ああ。契約に関するヒミツだ」



それは、私がとても知りたかった事の1つ……

お兄ちゃんやイグルスさんは、何か肝心な事を隠してる気がしていたから。




「……教えて下さい」

「いいぜ」



先生はまたも瞬時に移動して、私の目の前に立っていた。




「教えてやるけど、少し位は先払いな」



そう言って私の顎を持ち上げる。




「っ……んんっ!!」



昨日に引き続き、またもキスされてしまった……

押し返してもびくともしない先生。



恐怖を感じながらも、私の頭の中は先生のいうヒミツばかりが気になって仕方なかった……