お兄ちゃんは悪魔サマ

 


「せ、責任って、先生は仮にも教師でしょ!?そもそも生徒に手を出す時点で間違ってる!!」



私は何とか逃れられないかと考えながら、時間稼ぎのつもりで質問をぶつけてみる。




「お前バカ?何で俺がわざわざこんなタルい仕事やってると思ってんだよ」

「え?お金の為?」

「バァーカ。女だろ、女。わざわざ外で見繕うのも面倒くさいんだよ。ここなら勝手に若い子が近寄って来てくれるってわけ」

「うわぁ……最低……」



煙草を吸いながら話す先生の仕草が、ちょっとだけカッコよく見えたりなんかして、それが余計に悔しい!!




「この顔だけ変態教師!!……いや、変態悪魔!!」

「ふっ、随分な言われ様だな。妹に手を出すどっかの悪魔よりはまともだと思うが?」



尚哉くんは、悪魔は私たちの事を知ってるとは言ってた。

でも、何故私たちの関係まで知ってるの……?




「何故知ってるかって?俺は悪魔の中でも特殊な能力を持つ悪魔なんだよ」

「特殊な能力……?」

「知りたいか?」



私は素直に頷いていた。




先生はずっと私を見ている。きっと逃げられない……

だったら、何か少しでも情報を集めたかった。



それに話しを引き伸ばせれば、誰か助けに来てくれるかも……