お兄ちゃんは悪魔サマ

 


「失礼しまーす……」



私は中の様子を伺うように、静かにドアを開ける。

ドアを開けてすぐに見えるイスには、先生は座っていなかった……




「あ、いないんだ……」



私は少しホッとしながら、棚から絆創膏を探す。




「誰がいないって?」

「……!?」



八城先生は保健室にあるベッドに寝ていた……

ご丁寧にカーテンまで閉めて。




「ってか何サボってんですか!変態教師!!」

「うわ、ひでぇ」

「酷くないです!昨日とかいきなりキスしてくるし、ワケわかんないですから!!」

「あぁ、変態ってそっち?てっきり昼間の事かと」




昼間って、まさかあの時……?

先生は、じわじわ私との距離を詰める様にこちらに寄ってくる。
それに合わせて私も後ずさる。




「何で逃げんの?」

「先生が寄ってくるからです!」

「でも俺の事、探してたんだろ?」

「探してなんかないです!!」



というか、むしろ会いたくなかったんですけど……




「へぇ……ま、いいけど。じゃ、昼間邪魔された責任とって貰おうか」

「なっ、さっきから昼間って何の事ですか?」

「見てただろ?俺のエネルギー補給の現場」

「っ……!?」





先生はようやく解ったのかとでも言うように、笑った……

先生が、探してた悪魔……