お兄ちゃんは悪魔サマ

 


昼休みも終わり、午後の授業が始まった。

5限目は英語。先生が読み上げる英文も私の耳を素通り。



さっきの事が頭から離れない……

でも万が一目が合ってたとしても、私の顔は殆ど見えてなかったはずだし大丈夫、だよね……?



考え事をしながらボーッと外を見てた私の目に、お兄ちゃんとイグルスさんが飛んでいる姿が目に入る。

あ、お兄ちゃん達!
何か解ったのかな?



授業の様子なんて微塵も頭に入ってなかった私は、先生がすぐ隣に立っていた事さえ気づいてなかった。




「外を見るのは面白い?」

「う〜ん……。別に面白い訳じゃないけど……」

「……けど?授業よりはマシだとでも?」

「あ〜そうかも」



周りからは何故かクスクスと笑い声が聞こえる。
私は不思議に思って周りを見回した、その瞬間……




「羽村!!」

「わぁっ!?……って先生かぁ。びっくりさせないで下さ……」



驚いて先生の方を見ると、何やらこめかみ近くに青筋が……

これは怒ってる、よね。




「羽村、放課後職員室な。手伝って欲しい事がたっぷりあるぞ」

「ええ〜そんなぁ……」

「四の五の言わない!!」

「……はぁい」






こうして授業の後に、職員室に出向く羽目になってしまった……


まぁ職員室だから、八城先生と会うこともないよね……?