「ただいま~」
家に帰り部屋に戻ると、すぐにお兄ちゃんが来た。
「あ、お兄ちゃん。もう帰ってたんだね」
「アイツの話し何だって?」
「うん……何かね、最近新しい悪魔がこの辺りに来たんだって。お兄ちゃん知ってた?」
「いや……」
お兄ちゃんはそのまま黙り込んでしまった。
何か考えてるみたいで、下を向いたままだ。
「そうだ!何か私とお兄ちゃんの事を知ってるらしくて、気をつけてって言われた」
「俺達の事……?」
「うん……」
「俺、ちょっともう一回イグルスんとこ行ってくるわ」
私は、そう言って部屋を出ようとしたお兄ちゃんの服を咄嗟に掴んだ。
「私も行く!!」
「え……いや、でも……」
「尚哉くん、今日その悪魔と少し戦ったみたいで怪我して帰って来たの。その悪魔はうちの学校に居たって……。だから私もイグルスさんと少し話したい」
お兄ちゃんの顔つきが少し険しく変わった。
大きく息を吐くと、私に手を差し出す。
「ほら、行くぞ」
「うん!」
きっとイグルスさんなら何か解るよね……
尚哉くんは今まで会った事ないタイプって言ってたけど、どんな悪魔なんだろ……?
