結局その悪魔についての情報はそれ以上は解らず、とりあえず気をつける……という事で、先輩と尚哉くんの家を後にした。
「うちの学校に居た……。たまたまなのかな?それともやっぱり生徒とか先生……とか?」
独り言をぶつぶつ言いながら、家へと向かう私。
考え事をしていて注意力散漫になっていた私は、駅の近くの人混みで誰かとぶつかってしまった。
「った……って、すみません!!」
ガバッと勢いよく頭を下げる私。ぶつかった相手は、笑っているようだった。
おそるおそる顔をあげると、そこには見知った顔があった。
「あまり考え事をしながら歩くと危ないよ?」
「八城先生!どうしてここに?」
「俺の住んでるマンションの最寄駅がここ」
「へぇ……」
こんな道の真ん中に立ってちゃ邪魔だからと、道の端に連れていかれる。
「で、何をあんなに思い悩んでた訳?」
「いやっ、別に……」
悪魔を探してまーすなんて、言える訳ないって……
口ごもっている間も、先生はジーッとこちらを見ている。
何か巧いごまかし方はないかな?
なんて思案を巡らせている時だった。
イキナリ腕を掴まれて引き寄せられると、先生の顔が目の前に来てチュッっと………
「…………はぁぁっ?」
なななな、何考えてんのコイツ!?教師のくせにっ!!
「おいおい、せめてもう少し可愛い声にしてくれよ」
「セクハラで訴えますよ……」
「ごめんって、可愛かったからつい」
「ついで済んだら警察はいりません」
マ ジ
私は本気怒りになり声が低くなってた。その様子を見て先生は、またな〜とさっさと行ってしまった。
んもうっ!何なのよ!!
訳解んないからっ!!
それにしても、ちょっと血の味がしたような……
気のせい……?
