――――――



「わぁ…私、学校の先生の車って初めて乗った。。意外に普通なんですね。」



俺の車に乗って、シートベルトを締めながらキョロキョロと車内を見渡す沖田。



思えば、この車の助手席に女の子が座ったのは…いつぶりだろう。



きっと…


そのドアを泣きながら手をかけ、親友の元へ行ってしまった…彼女…以来だ。



ずっと、変えてない座席の角度。


少し倒し過ぎくらいの角度。。



サイドブレーキ横に置かれた小さなビン。


レモン味の飴が尽きることなく、入っている。



忘れたはずの…好きだった彼女の思い出が残る車内。



そんな隣りの助手席には、沖田。



俺のクラスの生徒。



・・・・特別な生徒。