「別に、沢っちの恋を邪魔するわけじゃないけどさ…」



角はそう言って、立ち上がったかと思うと・・・



「瞳の心はもう、他の人のものになってんだ。あいつは、ずっとその好きな奴だけを想い続けてきた。」



そう言って、教官室のドアに手をかけた。


俺は、角を呼び止めた。



「その男って、どんな奴なんだ?」



俺がそう聞くと、角はくるっと俺の方を振り返ってこう言った。



「一言で言えば…最強の男…かな?」



何故か、自分のことのように、自信に溢れた表情で。。



「最強の…男。」



角が出ていった教官室には、俺のその一言が…響いた。




沖田が想いを寄せる男って、どんなやつなんだ。




最強の男…




そんな男が、女に寂しい思いをさせて、涙を流させるのか?




許さねーよ。そんなやつ。




俺だったら、沖田にあんな寂しそうな顔させたりしない。



俺だったら、沖田に涙なんて流せたりしない。



俺だったら・・・



沖田?



俺がお前の隣りにいちゃ…駄目か?



俺がお前を抱きしめてやるのは駄目か?



俺がお前の心を独り占めには…できないのか?