「ファーストキスはレモン味ってよくいうよね、先生?」


「あぁ、確かによく聞くなぁ…。でもそれって、甘酸っぱい気持ちのたとえなんじゃないか?」



俺がそう言うと、沖田は首を傾げて不思議そうな顔をしていた。



「レモンって酸っぱいだけですよ?」


「沖田は恋して甘い気持ちにはならないのか?」


「なります。」


「だけど、ファーストキスを迎えるような時期の恋って、甘いだけじゃないだろ?だから、酸っぱいレモンに甘い砂糖をかけたようなもんだろ。」



なんか、俺らしくない発言だ…。

なんかおかしいぞ…今日の俺。。

隣りにいる沖田のせいか…?



「わぁ…先生ってなんかすごいね。恋心が分かってる…もしかして、先生今恋してる??」



ば…はか、そんな可愛い顔してそんな事聞くな…。。



「な、内緒!…ほら、サッサと部屋に戻って寝ろ。明日の朝、沖田を目覚まし係にするぞ!」


「え~。。やだ。。先生お休みなさい」



俺の半分冗談、半分本気の提案に…沖田は笑いながらそう言って、コテージに戻って行った。


その後ろ姿を見つめながら、甘酸っぱい気持ちに浸っていた。