「沖田、俺はお前の担任だ。いくらでも話聞いてやるぞ?」



そうだ。俺は沖田の担任だ。生徒の話を聞くのは当たり前だ。



「…大丈夫ですよ。ちょっと、色んな事があって…」



そう言って沖田は、いつもの笑顔を見せた。


俺は、それ以上何も聞かなかった。


何故か沖田の表情は、あまり触れられてほしくないようだった。



「ま、なにかあったら先生に話せ。分かったか?」


「はい。」



俺はそっと、沖田の頭をポンとした。



「先生!」


「なんだ?」


「ありがとう!」


「あ、あぁ。。何もしてないけど。」


「先生が担任の先生でよかったぁ…♪」



・・・!!


沖田はそれだけ言って元気よく帰って行った。


教室に、ほんのり…甘い香りを残して。



「…ッたく、反則だろ。」



一人、夕日に負けないくらい顔を赤く染めた教師がいた。



………俺だけど。。