「先生…?」



キョトンとした表情で沖田は、俺をみた。


涙が拭かれた目は…かすかに赤く潤んでいた。


俺は何も言わず、沖田の隣りに行き近くの机に腰をかけた。


そのまま、灼けるように赤い空を…眺めた。



「沖田…お前なんか、悩んでんのか?」


「え…?」


「嫌な事でも…あんのか?」



沖田は、俺が突然こんな事を真面目な顔して聞いてきたから、驚いて目をぱちくりさせていた。



そんな表情に…俺の胸はどくんっと高鳴った。


こいつ…可愛いすぎだろ…。。



「どうしてですか?」


「お前がいつも、部活がない放課後…教室でその、泣いてるの知ってっから。」



俺が言いにくそうにそう言うと、沖田は少し笑いながら…



「先生に見られちゃってたのかぁ…」



そう呟いて、窓の外に目を向けた。

その綺麗な横顔を俺は…見つめていた。


教師が生徒に対して向ける目なんかじゃない。。



もう…気づいてしまった。。



俺が沖田を見つめる時の目は…



――愛おしく見つめる目だ…。。



沖田を見つめる時に感じるこの思いは…



――恋だ…。。